ムント(独:Munt)とは、ゲルマン民族の社会での家父長権のこと。ゲルマン社会では家は一つの「自由圏」あるいは「平和領域」として政治的な単位であり、私法上の主体となった。ゆえに家の支配者である家父は家に所属する人と物に対して強力な支配権を有していた。家はより大きな共同体であるジッペに属していた。
定義と特徴
ムントは支配権と保護義務から成り立っている。妻子の財産は全て家父が管理した。ムントに付随する財産処分権をゲヴェーレ(Gewere)といい、家父に帰属した。ただし家が本来的に受け継いできた財産、世襲財産についてはゲヴェーレが制限されていた。家父は世襲財産を相続人に相続させる義務もまた持っていたからである。部族によって異なるものの、家の親族あるいはジッペの男子成員に相続権があり、世襲財産の処分には相続人の同意が必要であった。
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